絵本『とらのふくやさん』4/4
ある日、ちょっとかわったお客さんがやって来ました。
くすりの研究をしているサイの博士です。
「すみませんが、大人用も作ってもらえませんでしょうか。私はくすりのことばかり考えているので、服の前と後ろを反対に着ていることがよくあるのです。私は別にかまわないのですが、家族がため息をついていて……」
「分かります。分かりますよ。子どもとお母さんだけではなく、みんながニコニコになるふくとなったらうれしいです。大人用ははじめてですが、まかせてください!」
お母さんは大人のふくも作るようになりました。
また遠い国から手紙もとどきました。
『仕事中、空からすてきなふくを見かけました。毎朝親子で着がえが大変です。ぜひ、うちの子どもたちのふくも作ってもらえませんでしょうか。北の国からトナカイのお父さんより』
「まあ。外国からの注文なんてはじめて。でも、どこの国でも同じはず。郵便やさんにとどけてもらいましょう」
トトとララのお母さんは世界中みんなのほっぺたがさくらんぼ色になることねがいました。
そんなとらのお母さんのほっぺたもさくらんぼ色でした。
トトとララのお母さんはこの『世界中みんなのほっぺたがさくらんぼ色になるふくづくり』を仕事にして、今も子どもたちと毎日楽しくくらしています。
あなたもトトとララのお母さんのシャツとズボン、着てみたいと思いませんか?
きっとあなたたち家族のほっぺたも、さくらんぼ色になることでしょう。