絵本『とらのふくやさん』1/4
森のおくに小さなとらのおうちがありました。
そこにはお父さんとお母さん、トトとララという女の子、そして生まれたばかりの赤ちゃんがすんでいました。
お父さんはどんなにつかれていても、子どもたちをだっこしてくれましたし、お母さんは何回も何回もすべりだいをすべる子どもたちをニコニコしながらまっていてくれました。
子どもたちはそんな力もちのお父さんとやさしいお母さんが大すきでした。
しかし残念なことにトトとララのお父さんは病気になってしまいました。
お母さんと子どもたちはお父さんが元気になるよう、くすりになる草をさがしたり、お医者さんにおねがいしたりしました。
トトとララが
「お父さん、はやく元気になってね」
と声をかけると
「あぁ。元気になったら、かた車でまたさんぽにいこうな」
と言ってくれました。
しかし、お父さんは元気になることはなく、とうとうお空のお星さまになってしまいました。
お母さんと子どもたちはお父さんにあえなくなってしまったことが悲しくて、いっぱいなきました。
なみだが空っぽになるくらいなきました。
いっぱいないたからでしょう。
子どもたちのおなかが
「ぐうー」
となりました。
ごはんを食べることもわすれてないていたのです。
お母さんはやさしくわらっていいました。
「これからは、お母さんがお父さんの分までがんばるわ」